Message
トップメッセージ
代表取締役会長兼社長 野澤 克巳 NOZAWA KATSUMI
1984年創業以来、
変わることなく“心の豊かさ”を
提案し続けるアールビバングループ。アートやヨーガから
さまざまな刺激、感動を得て、
生きる力を強め、喜びを深め、
創造性を高めて、
人間の本質・原点に立ち戻っていく。
01一枚の絵から始まったアールビバングループ。
まず野澤社長とアートの出会いをお聞かせください。
実は若い頃はほとんどアートに関心がありませんでした。そんな私にあるお世話になった方との縁で、たまたま絵を購入する機会ができたんです。で、せっかく買ったんだから部屋に飾ってみよう、くらいの軽い気持ちで壁に飾ったら、部屋の空気、いつもの空間がガラリと変わりました。驚きましたね。それまでとは全く違う雰囲気の部屋になったんです。壁にかかった絵を見ていると、満ち足りた空気に癒される、そんな気分になりました。
私は初めてアートが知りたくなりました。空間を変えてしまうほどの絵の力を知りたいと思いました。時間を見つけては画廊や百貨店のギャラリー、美術館に足を運びました。貯金を取り崩して27ヶ月間連続で絵を買い続けましたよ。その結果、さらにわかったんです、絵を掛け替えてみるとまた違った部屋になることを。満足感、高揚感、癒される、落ち着く……、絵によって部屋の空気がいろいろな色に染められていきました。それをはっきりと感じた時はほんとうに驚きました。
02それが1984年のアールビバン創業へとつながるわけですね。
そうです。この素晴らしい体験を一人でも多くの人と共有したいと思いました。絵に興味のなかった自分でさえもこれだけ変わる、興味を持てるわけですから。きっかけさえあれば誰もがきっと絵の力に驚くはずだ、部屋はもちろん自分を取り巻く世界さえも変わるはずだ、そう確信しました。ですが、あの頃の日本のアートはごく一部の限られた人だけの世界でした。絵は一点もので高価なものも多く、若い自分などにはとても手が届かない世界でした。
だから従来の絵の世界とは全く違う、若い人でも気軽に体験できるアートの世界を実現したいと思いました。オリジナル版画を主体にしたアールビバンを創業したのはそんな経緯です。
03日本のアートの世界に新風を吹き込んだアールビバン、現在はグループとしてヨーガやフィットネス、さらにはファイナンス事業など幅広く展開しています。
私にとってはアートもヨーガ、フィットネスも掘り下げていくと根の部分は同じものです。心の豊かさ、という意味では一直線上にあると思っています。日本はずっと物質的な豊かさを追い求めてきました。資本主義はそういった側面がありますし、なにより戦後の日本が立ち直るには目に見える豊かさが必要でしたから、そうせざるを得なかったのでしょう。でも、結果として目に見えないもの、心の豊かさ、精神の豊かさは置き忘れられた、と言わざるを得ないと思っています。
だからこそ、わずかな時間でもいいから立ち止まって自分自身を、内なるものを見直しませんかと、私は皆様に提案したいのです。アートによって心と身近な空間を、ヨーガやフィットネスによって穏やかな心と健やかな身体の調和を見つめ直しませんかという気持ちです。ファイナンス事業、これはもう私自身が若い頃に苦労した経験から生まれたものです。当時の画廊は現金決済がほとんどで、若い人間にとって絵を買うことはほんとうにハードルが高いものでした。私はこれから未来に向かって日本を引っ張っていく若い人たちを変えたいという思いがあります。若い人こそ心の豊かさ、アートという体験を味わってほしい、だからこそどうしても必要だと考えました。
04野澤社長がたびたび口にする
“心の豊かさ”をもう少し詳しくお聞かせください。
一言で言えば、感動や価値、豊かさは外から得るものだけではなく、内にもあるということです。心と向き合うことによって、そこに癒されたりあたたまるような世界、あるいは美しい世界、新しい自分を創造していくべきだと私は思います。価値を外に求めていた時代は終わりつつあるのではないかと思っています。
心を豊かにして、心にあかりを灯して感じる力を高めていく。そして新しい自分を生み出していく。アートやヨーガからさまざまな刺激、感動を得て、生きる力を強め、喜びを深め、創造性を高めて、人間の生きる原点に立ち戻っていく。そこに感動や価値を見出していくということです。
05今、日本だけでなく世界が混迷の時代を迎えていると思います。
これからのアールビバングループはどのような方向性、目標に向かって進むのでしょうか。
今、世界はあらゆる意味で難しい時代になっています。コロナ禍の日常は誰もが想像もしなかった、経験したことがなかったものです。ただ、この現実は現在の状況や自分自身を見つめ直す機会でもあると感じています。「外に豊かさを求めるのではなく、内なる豊かさを見直し、目を向けましょう」というメッセージかも知れない、そう捉えています。
今、私が自信を持って言えるのは、アールビバングループが今まで切り拓いてきた道、未来へと進むべき道は間違ってはいないということです。アートの起源は4万年前にまで遡ると言われています。またヨーガの歴史はその誕生から5000年とも言われています。どちらもその素晴らしさを人類の歴史が証明しているかのようです。誕生から現在まで、アートもヨーガも世界中で尊重され文化を形成しています。これは人類が存在する限り永遠に続くでしょう。アートもヨーガもそれだけの役割を果たしてきました。
私は、人間の真の幸せには心の豊かさ、心の健康こそが最も重要であると思っています。そして、心の健康には身近な環境を整え調和を生み出すことが大切であり、その空間にはアートが欠かすことができないものであると思っています。アールビバングループはこれからも、歴史によってその価値を裏打ちされた確かなものを皆様にご提案し、心の豊かさを育てるお手伝いをし、幸せを広げる会社であり続けたいと願っています。
代表取締役会長兼社長
人物撮影 : DAISUKE YAMASHITA
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